さつま通信

2011年3月10日木曜日

商社の手のひらの上の養鶏業じゃ地域の活性化はできんわなぁ

 「エッグ・サイクル」とか「卵価安定基金」とか言う言葉を知っている人ならわかっていることですが、大規模な養鶏業だから稼げるとは限らず、けっこうどこの養鶏業も苦しい。

 「養鶏業」「倒産」などと検索すると、けっこう大手でも破産したりしていることがわかります。

 基本的に規模の大きな養鶏場ほど、施設から飼料まで商社任せの状態ですから、商社の手のひらの上の存在だったりします。

低卵価の秘密 (下) - たまご園の日記
http://d.hatena.ne.jp/tamagoen/20070825
 「卵価の上昇に誘われて養鶏羽数が増えて、生産される卵も消費量を超えてしまう。その結果、必然的に卵価が採算割れをする」5年の内3年はこのような年になり、養鶏場は人件費も出ない赤字経営が続きます。資金繰りの困った養鶏場倒産や廃業して4年目には卵価が持ち直し、4年目、5年目で前3年分の赤字を取り返します。
これを「エッグ・サイクル」と言い、90年代の初めまでこのようなことが養鶏業界で繰り返されてきました。
それが今から15年ほど前から「エッグ・サイクル」が殆ど無くなり、卵価は「誰かに操作されているかのように」採算割れの低価格を維持するようになりました。 
 農協や商社あたりが金貸して養鶏業を始めさせても、すぐに倒産されちゃ借金の回収ができませんから、卵価安定基金なんてものがあったりするのですが、もとはと言えば税金ですし、限られたものですから儲かるほどには出るもんじゃありません。

 だから、大きな養鶏業でも稼げていると言うわけでもないのですな。
 今から20年ほど前は「規模拡大のメリットが出る30万羽以上の鶏の飼育か、自己管理が行き届き、一部自己販売ができる3万羽以下の飼育養鶏場しか生き残れない」と養鶏業界で言われていました。それが10年ほど前には「50万羽以上か1万羽以下の飼育養鶏場」になり「この頃は借金が多くてつぶせない100万羽以上の企業養鶏場か、飼料会社に借金のない3千羽以下の生業(なりわい)養鶏農家」と言われています。
 養鶏業者は他の養鶏場倒産を待ち、この我慢比べの後にくるだろう「養鶏場の黄金の日々」を待ちます。しかし卵価は操作され?、養鶏業者が笑顔で過ごせる日はもう来ないようです。
 100万羽以上の鶏を飼育していても、上記に書いたように殆どの養鶏場は赤字経営です。その赤字分を全農や商社、そして飼料会社から借金をして自転車操業をしているのが多くの養鶏場の実態だと思います。全農や商社、そして飼料会社もただではお金を貸してくれません。黙って飼料会社の言い値で飼料を購入して、商社の言い値で指示されたスーパーに卵を卸す、農奴のように従順な養鶏場のみがお金を貸して「生きながらえ」ます。全農や商社、そして飼料会社は養鶏業者の借金分を餌代などに上乗せして、彼らはけして損はしない仕組みを確立しています。養鶏業者の「生かさず、殺さず」の世界が確立され、養鶏業者と言う現代の農奴はそのアリ地獄から抜け出すことができなくなります。 
 西平よしまさ新市長がアリ地獄から抜け出した経営者であれば尊敬もいたしますが、このような実状を知っていれば、絶対に大規模養鶏なんて他人に薦められるものじゃないことも知っていると思いますんで、地方の農村部の経済の活性化には同じようなことは薦めるはずが無いと思うのですが、彼は自分の政策について一言も具体案を述べていませんから、現時点でははっきり言って信用できないのですな。

 自分に政策が無く市の職員任せだったら、だいたい農協や商社に依存するような農業政策になってしまいますから、はっきり言って期待なんかできやしません。



 もっとも、具体的な政策があっても、それを説明するにはけっこうな時間がかかります。選挙前の数週間で語れるようなもんじゃありません。

だから、政治家を目指すものなら、日頃からブログなどで自分の考え方を示すべきだと思うのですね。

 自分を選んでもらうためには、自分を知ってもらわなければならない。

 選挙前の数週間で、口先だけで票を集めるような選挙はもう止めるべきじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうかね?

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